小林研一郎&日本フィルのチャイコフスキー交響曲第5番@東京芸術劇場

気圧が下がるとチャイコフスキーが聴きたくなるのでしょうか?

 

台風が接近した半月ほど前にふとチャイコフスキーが聴きたくなり、それから「マイブーム」が起きています。

これはやはり生で聴きたいと思って探したところ、良いタイミングでそれがありました。

「コバケン」こと小林研一郎指揮の日本フィルハーモニー交響楽団「サンデーコンサートスペシャル」のメインプログラムが、チャイコフスキーの交響曲第5番(通称「チャイご」)だったのです。

連休初日の今日は家族総出でおめかしして、池袋の東京芸術劇場へとこれを聴きに出かけました。

小林研一郎&日本フィル&牛田智大

 

 

1・チャイコフスキーといえばムラヴィンスキー!!! 必聴の歴史的名盤があるがゆえの難しさ

高校生のときに初めて聴いてから、いったい何回聴いたでしょうか。

もうわたしが脳内で完全再生できるのがこちら、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の、1978年の演奏です。

 

エフゲニー・アレクサンドロヴィチ・ムラヴィンスキー(エヴゲーニイ・アレクサーンドロヴィチ・ムラヴィーンスキイ;ロシア語:Евгений Александрович Мравинский, イヴギェーニイ・アリクサーンダラヴィチュ・ムラヴィーンスキイ;ラテン文字転写の例:Evgeny Aleksandrovich Mravinsky、1903年6月4日[1]1988年1月19日)は、ロシア指揮者20世紀におけるソ連ロシア東側諸国指揮界の第一人者、世界でも有数の指揮者の一人に挙げられる。

Wikipediaエフゲニー・ムラヴィンスキー

 

 

ムラヴィンスキーの名演について書くと長くなってしまいますから今回は省きますが、チャイコフスキーといえば多くのクラシック愛好者が筆頭にあげる、これ以上は考えられないくらいの必聴名盤と言い切れます!

しかしこれでは、他の演奏を聴くのが実に難しくなってしまいます。

どうしても脳内再生されるその名演と、聴き比べてしまいますから。

 

一度この「ムラヴィンスキー・スタンダード」を脳内から抜いて、まっさらな状態で聴かなければとは思うのですが、なかなか難しく、もしかしたら生で聴いても歯がゆい思いをするかもしれないと懸念していました。

それでも生オーケストラの迫力は、この「ムラヴィンスキー・スタンダード」のとびきり高い壁も一瞬吹き飛ばすほど、素晴らしいものでした!

 

 

2・コバケン(小林研一郎)さんのチャイコフスキーは重厚長大なドイツ風?

コバケンさんを生で聴いたのは、初めてでした。

前半のリストの時から思っていたのですが、コバケンさんの指揮はかっちりと堅実かつ重厚、ともすると重たく感じますが、迫力の響きです。

リストも重くきっちりしていて、こう演奏するとちょっとマーラーのようにも聴こえることを発見しました。

 

 

そのコバケンさんのチャイコフスキーですが、どうしても「ムラヴィンスキー・スタンダード」と比べられることからして、ちょっと分が悪いかもしれません。

しかしとにかく、しっかり重くたっぷりしていて、ちょっとワーグナーっぽくも聞こえるのです。

あるいは、古き良きフルトヴェングラーのベートーヴェン。

「ドイツ風」なのかもしれません。

 

ムラヴィンスキーのチャイコフスキーは、迫力もあるもののその一方で、どちらかといえばちょっとフランス風を思わせる「繊細さ」や「危うさ」のようなものもあるとわたしは思っているのですが。

(フランス風という表現は的確ではないかもしれませんが、いずれにせよ、ドイツ的「重厚長大」とは少し違う感じです。)

良し悪しではなく好みの問題でしょうが、わたしにとってはちょっとコバケンさんの演奏は「Too much(やりすぎ)」でした。

 

とはいえ、ムラヴィンスキーの吹雪のような疾走感と鋭いキレには及ばないものの、重く唸る低音と割れんばかりの金管群団で、迫力の響きを聴かせてくれました。

 

キレの悪さは、残響がよすぎる東京芸術劇場コンサートホールの問題かもしれません。

ヴァイオリンが音量も迫力もいまひとつに聞こえたのも、ホールの構造上の問題でしょうか?

2階中央前方の席だったのですが、金管楽器とティンパニがあまりに良く響くためか、完全に弦楽器が負けていたのが残念でした。

 

東京芸術劇場コンサートホール

ロビーのモニターから

 

 

 

コバケンさんは、いわば「昭和の指揮者」でしょうか。

とにかく「熱い」感じでエネルギッシュ、情熱と気合いでオーケストラ団員を引っ張っている感じがあります。

いや、引っ張るというより、押し上げている、でしょうか。

 

ふと「団塊の世代」という言葉が浮かびました。

その世代よりはお年を召した方でしょうが、その時代の空気感が漂っている感じなのです。

 

 

オーケストラで印象的だったのは、クラリネットとティンパニです。

第一楽章出だしのクラリネットの「運命の主題」も素晴らしく、全体の流れづくりにおいてこの功は大きかったのではないでしょうか。

他のソロ部分も絶妙な音色やフレージングで、良いクラリネット奏者がいるなと思いました。

 

ティンパニも、少し響きすぎた感じはあったものの、ここぞというところで絶妙な感じで追い立て盛り上げてくれました。

響きすぎたのは、ホールの問題だったのかもしれません。

こちらも良いセンスのティンパニストだと感嘆しました。

 

弦楽器は大人しめでちょっと迫力負けしているものの、チェロやコントラバスの低音部は底力があり、割れんばかりの金管群団と相まってオーケストラに厚みと重みを出していました。

 

そんな風であまり洗練された感じはなく、ともすると熱すぎて鬱陶しく感じることもある演奏だったと思います。

しかしラストは引きぎみな観客(わたし)をも巻き込んで、堂々たる「勝利の行進曲」で熱狂させてくれました!

大丈夫かと手に汗握りながら聴いていた金管も、ラストのトランペットの響きは美しく勢いよく、完璧といっていいくらい。

ああロシア帝国万歳、ウラ〜〜(行け〜〜)!!!!

 

…そういう曲だったっけ?
(ショスタコーヴィッチの第5番じゃないんだから…)

 

 

まあ身体の芯から震えたから、良しとします。

こんな演奏もまた、ひとつのスタイルかもしれません。

 

何にせよ、生演奏ならではの素晴らしさは格別です。

そして迫力のオーケストラは、日頃溜まったあれこれをスッキリさっぱり、祓ってくれたかのようでした。

 

3・おまけ〜劇場内「COVA」はヴェルディゆかりの落ち着けるカフェ、おすすめです

過ぎ去りしバブル時代の象徴のような東京芸術劇場ですが、ごく最近、なかなか素敵なカフェが2階にできました。

本店ミラノでは、ヴェルディがオペラ「椿姫」を書いたと伝わっているカフェ「COVA(コヴァ)」です。

 

東京芸術劇場内のカフェ「COVA」

 

今日は開演前に、ここでゆっくりと軽食を摂りました。

上品なパニーノはまずまずのお味といったところですが、店内はゆったりとしていてくつろげます。

ケーキセットも人気のようでした。

劇場内のバーは混んで落ち着かないので、開演前ならここがお勧めです。

 

 

COVAのパニーノ

4種のチーズのパニーノ

 

 

COVA(東京芸術劇場内)の内装

瀟洒な店内のディスプレイ

 

 

カフェ「COVA」のジャンドゥーヤ・チョコレート

食後には有名なジャンドゥーヤ・チョコレートをひと粒。

ヘミングウェイの「武器よさらば」にも登場します。

 

 

4・まとめ〜やっぱり生演奏は最高!オーケストラのみならずクリスタルボウルも然り

全身のうぶ毛が震え、毛穴から内臓まで響くような「生の音」はやはり最高です!

どんなに素晴らしい「歴史的名演」の録音でも、やはり生演奏に敵わないところはあるのです。

 

それは、その「時」の力なのでしょうか。

それこそが、「いまここに在ること」の素晴らしさを体感させてくれるのかもしれません。

 

もちろん、オーケストラ演奏に限った話ではありません。

室内楽でもピアノ独奏でも、いや、クラシック音楽ではなくても。

 

ジャズでもポップスでも邦楽でも。

そしてもちろん「音楽にならない音楽」、すなわちクリスタルボウル演奏でも・・

 

「いま」の臨場感には他の何ものにも代え難い「なにか」があるのです。

いや、何もないかもしれない。が、それが全てかもしれない。

 

ちょっと強引な結論づけかもしれませんが、ぜひクリスタルボウルも、一度は生演奏をお聴きになってみてください。

実際に聴いて、体験してこそ、なのですから・・

 

 

クリスタルボウル・ヨガ@東京自由が丘(2017年12月)

わたしの次回のクリスタルボウル演奏は、12月3日の「クリスタルボウル・ヨーガ」です。

 

 

近日開催予定のイベント

 

※【11/20(月)昼】横浜中山癒しの昼活

11時〜14時  横浜中山「753Cafe(古民家カフェ)」にて ご参加費・2000円(ランチ込)

11/20中山昼活

 

※【2017年12/3(日)午後】クリスタルボウル・ヨーガ

15時15分〜16時45分  自由が丘「スタジオカムシア」にて ご参加費・4000円

12/3クリスタルボウル・ヨーガ

 

※【2018年1/20(土)午前】水晶七環演奏会〜贅沢な中国茶付きで極上のひととき

午前10時〜12時  自由が丘「スタジオカムシア」にて ご参加費・5000円

1/20水晶七環演奏会